空色ホイッスル



その願いは……届かなかった。



「んなの、はいはいそうですか!なんて信じられるわけねぇだろ。



俺達の学校と蒼井高校はライバル同士で仲が良くないことをお前は入部したときから知ってたよな?



だったらそれを知っててどうして2人はそこまでの仲を良くしなきゃいけねぇんだよ!



お前はただ一ノ瀬の容姿に騙されただけで、一ノ瀬に利用されてたんだよ!」



そんなことない……。



先輩達は一ノ瀬くんの何を見てそうだと思ったの?



一ノ瀬くんはあんなにサッカーが大好きで、自分のポジションだって絶対取り戻して見せようと



辛い状況に立たされてもずっと頑張ってるのに。



「一ノ瀬くんのことをそんな風に言わないで下さい!



私と一ノ瀬くんはただの友達です!裏で学校の情報を教え合ったりそんなことは一度もしてません!」



下唇を噛んで涙を耐えて、私は先輩達の目を見て必死に訴えた。



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