空色ホイッスル




「いい加減目を覚ませよ!吉岡!」



柚木先輩は私の前髪を掴んで引っ張った。



……痛い。



離してよ!私はそんなことされるようなこと何もしてないよ。



どうして分かってくれないの?



「とにかく、火曜日までに一ノ瀬から情報を聞いてこい。



スターティングメンバーの変更からチームの強み、弱み……全部だ。



それから俺達の情報は絶対アイツには漏らしたりするんじゃねぇよ!」



柚木先輩は壁に向かって私の前髪を持ったまま突き放すと坂木先輩と一緒にロッカールームに戻って行った。



私は怖くて怖くてもう立っていられなくなってそのまま床に座り込んだ。



「ぐすっ……」



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