空色ホイッスル
書いてあるルーズリーフには前回の大会で1人で見に行った時に見つけた蒼井高校の強みや弱い所を走り書きしたのを
書きなおしてまとめただけの紙。
1回ノートはミーティングの時にコピーしてもらってみんなに配られたから、私のノートをちゃんと読んでくれていたらバレてしまう。
でも、健全な試合をしてきちんと勝ち負けを決めたいから
相手を唆したりしてまで私は情報を得たいとは思わないからこの方法に出ることにした。
「これは一ノ瀬じゃなくて、吉岡の前に試合観に行った時のノートを書きなおしただけだろ?」
「俺達がこんなのを求めてんじゃねぇことくらい分かるだろ?」
少し大きな声を上げて言ってきた坂木先輩。
そんなの分かってる。でもそれは私は絶対にできない。
だって……。