空色ホイッスル
Sky*2 試合のはじまり



―――……



「……よしっ!」



私は試合のスコアを書くため、シャーペンを持つ手に力を入れた。



ピーっと鳴り響くホイッスルの音で試合がスタートして、ピッチにいる選手たちがボールを蹴り出し、ゴールに向かって走り出した。



さーっとこの会場を吹き抜ける風。



一気に大きくなった観客席からの応援。



そして、試合に集中していて始まる前と変わった選手たちの目つき。



そのすべてが今日の大会の試合の雰囲気を作り上げていた。



……今日の試合だけは絶対に負けられない。



今、戦っている対戦校の蒼井高校は私が入学する前からずっと張り合っていてお互いライバル意識を高く持っている。



それは、いつも大会で試合に当たっては勝ったり、負けたり互角を繰り返していることからだと先輩から聞いた。



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