空色ホイッスル
「近いうちに必ず会おう、連絡するから」
「うん、待ってるね!」
またね!と言って手を振って部長のところに行こうとしたら
一ノ瀬くんに腕を引っ張られて、髪の上からおでこに一瞬キスをされた。
「…………」
「じゃあな」
彼はそう言って振り返るとみんなと一緒に行ってしまった。
その場から私は動けないけど、「何イチャついてんだよ!」と部員に冷かされて、「うるせぇ」の一点張りで制する彼らの話し声だけは聞こえてくる。
じーっと見つめていると、「芽衣!」と祐ちゃんにまた呼ばれて現実にかえった私は
「はい!」と返事をして急いでみんなのところに走って行った。