空色ホイッスル



「近いうちに必ず会おう、連絡するから」



「うん、待ってるね!」



またね!と言って手を振って部長のところに行こうとしたら



一ノ瀬くんに腕を引っ張られて、髪の上からおでこに一瞬キスをされた。



「…………」



「じゃあな」



彼はそう言って振り返るとみんなと一緒に行ってしまった。



その場から私は動けないけど、「何イチャついてんだよ!」と部員に冷かされて、「うるせぇ」の一点張りで制する彼らの話し声だけは聞こえてくる。



じーっと見つめていると、「芽衣!」と祐ちゃんにまた呼ばれて現実にかえった私は



「はい!」と返事をして急いでみんなのところに走って行った。


< 436 / 450 >

この作品をシェア

pagetop