空色ホイッスル



ハーフタイム。



ピッチの中には誰もいない。



選手達はベンチに集まって、給水をしていたり、タオルで汗を拭いて後半戦に備えている。



スタンド席では試合の時よりもガヤガヤしていて、近くにいる人たちは「これは間違いなく蒼井高校の勝ちだな」と話していた。



「これは怪しいな~!2点もリードしてるし!



彼氏が出ない可能性は高いだろーな~!」



「もう祐ちゃん!うるさいよ!」



私は隣にいる祐ちゃんの肩をペシっと1回叩いた。



自分の下心がバレてるのがすごく恥ずかしい。



お願いだから一ノ瀬くん出てきてよ!



と後半戦が始まるまで私はただただ心の中で願ってるしかなかった。




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