空色ホイッスル




あの人……すごい。



どんな次に繋げるのが難しいボールが飛んできても、ボールの力を物にしてゴールキーパーの松下先輩の壁を越そうと積極的に攻撃してる。



そんな人が去年までディフェンダーのポジションで守備をしていただなんてとてもじゃないけど考えられない。



一ノ瀬くんの本当のサッカーをしているところをこの目で見てみたい。



こんなこと今は彼は対戦校であり、敵だからそんな風に思っちゃいけないんだろうけど



不思議だけど自分の中ですごく興味が湧いた。



そして、試合が始まってから半分くらい経ったころ。



彼はゴールキーパーの松下先輩の厚い壁を破り、見事に大きく弧を描いたゴールを決め、先制点を奪った。



ゴールを決めた彼は、小さくガッツポーズをしながら先制点を取ったことを喜んでいた。



キラキラとピッチの中で輝く彼は一瞬で私を虜にした。



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