空色ホイッスル



「そっか!変なとこ見られてたら恥ずかしいけど、嬉しいな。ありがとね」



一年前から私のことを見ててくれたと聞いたら一ノ瀬くんへの疑いの気持ちも少しだけ消えた。



面と向かって話してる訳じゃないのに、真剣味の詰まった声が電話口から聞こえてきて



一ノ瀬くんのことをもっともっと知って、少しずつ強く信じていけたらって思った。



「いや。俺、芽衣に信頼してもらえるように頑張るから。



今度夏休みとかで休みが被ったらどっか行こうな。じゃあまた連絡するから。



もうあんなビビった声で電話に出んなよ。おやすみ」



「ちゃんと一ノ瀬くんのこと登録しとくから次は大丈夫だもん。



今日はありがとね!おやすみなさい」



電話を切った後、楽しかったという気持ちともう少しいろいろ話をしたかったという淋しい気持ちの両方がこみ上げてきた。



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