空色ホイッスル



「さぁな。頼むから変な詮索したりすんなよ。



それと、あの子だけは絶対手を出すなよ」



と牽制を七瀬にかけた俺は肩に載せられていた腕を離して、準備を手伝いに向かった。



七瀬は顔が整ってて、サッカー部だし、女子にモテることからどんどん核心を突いて芽衣を知ろうとする七瀬にあんなことを言ってしまった。



「余裕ねぇな……」



と俺は一人呟きながらボールを取りに器具庫に向かったのだった。



これからあの暑い暑い季節がやって来る。



サッカーの季節の真反対だからあまり嬉しくはないけれど、



練習時間をたくさん確保できて、冬にその実力を試される大事な時期。



何があってもまた「お前は守備の方が良かった」と誰にも言わせないためにも



今年の夏は誰よりもサッカーを頑張りたい。



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