空色ホイッスル



「ほんとだっ!って……メルって呼ばないでって言ってるじゃん!



他のみんなに聞かれたら恥ずかしいからもうやめて!」



そう言い張る私に、祐ちゃんはクルクル赤ペンを回しているだけで全然私の言葉なんて聞こえないふり。



それどころか……。



「吉岡、余裕だな。さっきからメルばっかり聞こえてくるけどいったい何の勉強してんの?」



と同じクラスの梶くんがノートを覗き込みながら話しかけてきた。



私は急いでバッと教科書とノート、それからワークを閉じて机の中にしまって



「ううん、ちょっと祐ちゃんと雑談してただけ!



なんかね、祐ちゃんがさっきから私のこと芽衣じゃなくてメルって呼んでくるんだよー!」



本当に困っちゃうよね!と苦し紛れに言い訳する私。



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