空色ホイッスル



「痛いー!ちょっと祐ちゃん離してよ!」



祐ちゃんは私の右頬を摘まんで引っ張ってくる。



そして梶くんは、祐ちゃんに向かって「化学以外は部活の仕事やらないでしっかりやってますから!」と説得してくれている。



……だけど、まるで梶くんの言葉は祐ちゃんには届いていない。



「当然の報いだ、ばーか!



授業の時は、部活のこと忘れて集中してやれ!って散々前に言ったじゃねぇかよ……」



「だって、化学は先生の話聞いてても中間テストの範囲のところから分からないし



だったら、間宮先生に見せなきゃいけないスコアブックを試合の時には急いでて雑になっちゃうから書き直そうかな?……なんて」



へらっと笑って掴まれてる手から自分のほっぺを抜け出そうと思ったけど……



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