君の存在が笑顔になる
遼のアドレスにも誕生日らしい数字が並んでいた。


「当たりー。ハハッ、俺もバレバレだな。でさー、欲しいものある?」


「えっ?欲しいもの?んー、すぐに思い浮かばないなー」


「じゃあ、考えておいて」


彼氏からもらう誕生日プレゼントって、一般的に何だろう?


「考えておく」と返事はしたものの、何をおねだりしたらいいのか分からなくて、家に帰ってからずっと悩んでいた。


「桜香、眉間に皺よっているぞ。何か困りごと?悩みごとなら聞くよ」


いつもなら千太郎に相談している。

でも、この事は相談したくなかった。
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