君の存在が笑顔になる
「うん。好き」


「初めて聞いた」


遼は私の向かい席に戻り、照れるように笑う。

初めて言った好き。


千太郎への好きという気持ちと少し違うけど、遼のこともちゃんと好きだ。


大事にしてくれているのが分かる。


私たちは駅で別れた。遼はこれから塾だった。


私はこれから家で誕生日パーティ。


お父さんも今夜は早く帰って来ると張り切っていた。


普段仕事が忙しくて、帰りの遅いお父さんだけど、こういう記念日には早く帰ってきてくれる優しいお父さんだ。

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