君の存在が笑顔になる
「あ!」


「桜香に似合うと思ってさ」


千太郎は優しく微笑む。


箱の中に入っていたのは、遼と一緒に見て、悩んだネックレスのもう片方のでテディベアのだった。


「まあ、桜香。かわいいじゃない?着けてみたら?」


「着けてやる。髪あげて」


千太郎がネックレスを持って、私の後ろに回る。


遼からもらったネックレスは見つかると恥ずかしいと思って、家に帰ってすぐに外したから誰も見ていなかった。


だからといって、同じネックレス。私の心は大きく動揺する。


「似合っているじゃないか。さすが、千太郎だな。桜香の似合うものが分かっている」


お父さんの言葉にお母さんは頷く。


「うん、桜香にピッタリね」
< 109 / 256 >

この作品をシェア

pagetop