君の存在が笑顔になる
みんなはニコニコ見ているけど、私の顔は引きつっていた。

嬉しいけど、単純に喜べない。困ったという気持ちのほうが大きい。


「ありがとう。学校では着けれないから、休みの日に着けるね」


「えー。結構、みんな着けてるよ。ネクタイをちゃんと締めていれば見えないだろ?」


千太郎はいつでも着けていて欲しいらしい。

でも、遼からもらったのを着けないとならない。


「でも、見つかって没収されたら嫌だし、大事にしたいから学校ではやめておくよ」


もっともらしいことを言う。


けれど


とてつもない罪悪感だ。


その罪悪感が遼に対してなのか千太郎に対してなのか、私は分からなくなっていた。
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