君の存在が笑顔になる
ビクッ!


外そうと手を咄嗟に首の後ろ回した。


「な、何?」


遼が近付いてきて、慌てて手を下ろす。

里沙がハラハラした顔で見ている。


「今日さー。委員会があるんだって。だから、先に帰ってくれていいよ」


「あ、うん」


「じゃあ、桜香。あたしと帰ろう!」


「うん!」


久しぶりに里沙と帰ることになった。


「それ、外さなくても大丈夫そうだね」


里沙が小声で言う。

遼はすぐに自分の席へ行って、座っていた。


外してなくしても困るから、このままにしておくことに決めた。

遼に見つかりませんように。
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