君の存在が笑顔になる
「桜香、大丈夫か?どこか具合悪い?」


千太郎が心配そうに近付いてきて、両手を握る。


「大丈夫だよ。眠かっただけ。ごめんね、呼びに来てくれたのに返事しなくて」


「寝てたの?なら、気付かなくても仕方ないよ」


手を引かれて、隣りに座る。家では千太郎の隣りが定位置となっている。

私の安心出来る場所だ。


「そういえば、電車の中でも顔色悪かったよな?その時も具体悪かった?」


「あ、あれは…違うの」


里沙のことで落ち込んでいただけ。


「後で話聞いてもらってもいい?」


「うん。じゃあ、ご飯食べたらな」

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