君の存在が笑顔になる
お手伝いが終わって、2階に上がる。


カチャ


千太郎が自分の部屋から出てきた。


「桜香の部屋でいい?」


「うん、いいよ」


千太郎は部屋に入るとベッドに座って、壁際に置いてあるハート型のクッションを抱える。


私は机の椅子に座る。


「こっちに来いよ。そばで聞いてやるから」


千太郎は横を叩く。


近い距離に意識しないようにと平気な顔で座った。ハート型のクッションを渡されたから、ギュッと抱き締める。


「あのね…」


私は里沙に何もしてあげられなくて落ち込んでいることを離す。


千太郎は話し終わるまで何も言わないで聞いてくれた。
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