君の存在が笑顔になる
突然、私が抱き締めていたクッションを奪い取り、形を整え出す千太郎。

私はぼんやりとその様子を見ていた。


何がしたいのだろう?

何が言いたいんだろう?


そして、整ったクッションをあった位置に戻してベッドから離れる。


「俺、宿題が途中だから戻るよ。桜香は宿題ないの?」


「あ、そうだ。数学のプリントがあった!」


やらないで寝てしまうとこだった…。

でも、今話してることはそんなことじゃない。

どうして話を逸らしてしまうの?

ちゃんと話したいのに。


「千太郎?」


「早く終わらせて、テレビ見ようぜ」


私の問い掛けは悲しいことに無視される形となった。
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