君の存在が笑顔になる
遼と行くカラオケは初めてだった。


家族や友達と行くのとは違って、少し緊張する。

そういえば、千太郎とは行ったことないな。

今度誘ってみよう。


あ、私ったら、また千太郎のことを考えている。


遼は想像通り、上手だった。


「うまいね!遼の声、好きだよ」


「ありがとう!桜香に褒められると照れるね。次は桜香だよ、頑張れ!」


私は初めて聞かせる歌声にかなり緊張したけど、遼が優しい顔で頷きながら聞いてくれるから頑張った。


「へー、桜香って歌うと声が少し高くなるんだ。上手だったよ」


「本当に?うわー、恥ずかしい」


私は頬を押えた。
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