君の存在が笑顔になる
1時間ほど歌って、休憩。


私はオレンジジュースで喉を潤していた。

ずっと歌っていたから喉がカラカラに渇いていた。


「桜香」


「ん?」


少し離れて座っていた遼がすぐ隣に移動してきた。


足と肩が触れる。


こんなに近付くことは初めてだ。


私の体は固まる。


「なんか緊張してない?」


遼が顔を覗き込む。


「ううん、緊張なんてしてないよ」


誤魔化すようにジュースを飲む。


「それ、俺にもちょうだい」


「えっ?あ!」


返事を聞かないて、私のジュースの入ったコップを取って、飲む。


こういうのって、間接キスだよね?


今までそういう経験もなかったから、初めてのことに顔が赤くなる。
< 133 / 256 >

この作品をシェア

pagetop