君の存在が笑顔になる
♪~♪~♪


スカートのポケットに入れてあるスマホが鳴る。


ハッ!


私は思わず遼から離れて、ポケットの中を探る。


唇が触れるまでほんの数ミリの距離だった。


それなのに、離れてしまった。


自分から離れたのに、悲しくて申し訳ない気持ちになる。


鳴り続けるスマホを握りしめたまま、遼を見つめる。


「いいから、出ろよ。まだ鳴っている」


「でも」


大事な瞬間に離れてしまったことを後悔する。



「いいから。切ったら続きをしよう」


再び近付いて、頬にキスしてきた。


その場所から徐々に顔全体が熱くなる。


続きなんて言われて、ドキドキが止まらない。

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