君の存在が笑顔になる
病院までタクシーで行った。

病院に着くまでの時間がとても長く感じて、私は膝の上で組んでいた手を震わせていた。

千太郎がどうか無事でありますように。


「桜香、楠本はきっと大丈夫だよ。かすり傷でピンピンしているかもしれないよ」


遼が震える私の手を安心させようと優しく押さえる。

遼の肩に寄りかかる。


「ありがとう…、遼」


遼がいてくれて本当に良かったと思う。


20分くらいで到着した。


千太郎がどこにいるか分からないから、とりあえず受付に急ぐ。


「姉ちゃん!」


ちょうど受付に秋斗がいた。

「秋斗、千太郎は?」


「今、手術室を聞いたから、一緒に行こう」


「手術室?」


そんなに酷いの?
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