君の存在が笑顔になる
お父さんが言うことは幼い私たちには理解するのが難しかった。


他の大人3人はお父さんの言うことに同意しているようで頷いていた。


「会えなくて何で大丈夫なの?遊べないなんて嫌だよ」


「僕も嫌だよ。ずっとおうちゃんと一緒にいたい。いつでも好きなときに遊びたい」


並んで座っていた私たちは手を握りあった。

離れたくない、ずっと一緒にいたいと強く強く願った。


だけど


小さな私たちはどんなに願っても叶わないことがあることを知った。


たくさん泣いて、生まれた街を、千太郎のそばを離れた。
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