君の存在が笑顔になる
「そうか。じゃあ、お見舞いに行けるようになったら、教えてくれる?今夜電話するよ」


「うん、バイバイ」


ズキン…


嘘をついたことに心が痛む。

それでも千太郎の元へと急いだ。



「千太郎?」


病室に入ると静かで、微かに寝息が聞こえてきた。

寝ている千太郎の近くに座った。


千太郎は笑った顔がかわいいけど、寝顔もあどけなくてかわいい。


かわいい顔しているけど、ちゃんと男の顔している。


そっと手を伸ばして、頬に触れる。

頬の温かさが伝わってきた。


「何で泣くの?」


目を開けた千太郎の私の涙を拭おうと手を出す。
< 149 / 256 >

この作品をシェア

pagetop