君の存在が笑顔になる
公園に着いた時は少し薄暗くなっていた。

街灯の近くにあるベンチに並んで座った。


「で、何?」


遼は少し前屈みになって、私を覗き込むようにして見た。


「あ、あのね…」


別れを告げるのは好きと言うのと同じくらい勇気がいると思った。


「ん?」


遼に見られて、私は横を向いた。


「桜香、こっち向いて話してよ。そっち向いてたら聞けないよ。どうしたの?」


「うん…」


目が合う。

言いづらい。

だからといって、このままでは良くない。



「あたしと別れてください。ごめんなさい」
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