君の存在が笑顔になる
遼をちゃんと見て言った。


その瞬間、遼の目が大きくなってから、悲しい目になった。


傷つけてしまった。


でも、このまま気持ちを隠してはいられない。


「本当にごめんね」


何も言わない遼に私はまた謝った。

謝ることしか出来ないから。


遼は私から目を逸らして、足元をジッと見つめる。


「嫌だ」


「え?」


「嫌だ。別れたくない。別れない」


別れを告げたら終わりだと思っていた私は予想外の返事に戸惑った。


「桜香が別れたくても、俺は別れたくないから別れない」


「でも」


私の気持ちは遼にない。


「桜香が俺ではない違うヤツのことが好きでも構わない。俺は桜香の彼氏でいれればいいから。俺のそばにいてくれればいいから」


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