君の存在が笑顔になる
遼が私の手を強く握る。


「桜香が好きでなくても、俺は好きだよ。付き合うことが出来て嬉しかったのに。まだキスだってしてないのに。別れられるはずなんてない!」


悲痛の声が胸に刺さる。


「俺のこと一度も好きだと思ったことない?俺に向けてくれた笑顔は嘘だったの?」


少し緩めた手を再び強くする。


手に痛みを感じる。

でも、この痛みが遼の気持ちの強さなんだ。


「遼のこと、好きだと思っていたこともあるよ。遼と一緒にいた時は本当に心から楽しかったよ」


「好きだと思っていた?それは好きじゃなかったと言うの?どういう意味?」

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