君の存在が笑顔になる
私は学校から毎日寄り道することなく真っ直ぐ家に帰ってきた。

帰ってからは遊びに行くこともない。

遊ぶ友達なんて、1人もいないから。


家で宿題をやった後は秋斗と遊ぶことが多かった。


外に遊びに出掛けない私を心配して、お母さんはお友達が出来たかと聞く。


心配をかけないように出来たと答えるけど、とても悲しい答えだった。


札幌に住む千太郎とは一日おきに電話でおしゃべりをしていた。


家族の誰にも言えない本当のことを私は千太郎にだけ話すことが出来た。


「あのね、お友達が出来ないの…」


「どうして?」


「分からない」
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