君の存在が笑顔になる
私はもしかして、最初から遼を傷つけていたのかもしれない。


よく考えもしないで、オーケーと返事をしてしまったのがいけなかったのかもしれない。


あの頃、千太郎には彼女がいたから、私がどんなに想ったって、報われないと思っていた。


それで遼と付き合うことを決めたようなものだ。


最低だな…。

好きだったはずなのに、千太郎以上に想うことが出来なかった。


「本当にごめんなさい…」


許してもらわなくてもいい。

ただ別れて欲しい。


「謝られても、絶対に別れないよ。桜香はこれからも俺の彼女だからね」


遼は立ち上がって、憎しみのこもった目で私を見下ろす。


怖い…と感じた。
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