君の存在が笑顔になる
「じゃ、せっかくだから横になるよ」


「あ!」


立った時にふらついた千太郎を慌てて支えた。


「サンキュ…」


頭上から千太郎の声が聞こえて、顔を上げる。


「わっ!」


千太郎の顔がすぐ近くにあって、思わず後ろに下がった。


「ちょっと!待って…わっ、わっ!」


「キャ!」


ドッシン!


私が体を動かしたから、支えられていた千太郎のバランスが崩れて、私に体重がかかった。

体勢を立て直せなかったから、二人揃って、床に倒れてしまった。


「いったーい」


「桜香、大丈夫か?」


「あらまあ。2人とも大丈夫?」


差し出されたお母さんの手を掴んで、起き上がった。
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