君の存在が笑顔になる
不安そうになんて見えない。それよりも楽しそうに見える。


でも、普段と同じように歩けないのは不安に違いない。


その不安をきっと顔に出さないんだ。


顔色1つ変えないで歩く千太郎に横を歩く。

電車は何とか千太郎だけが座れた。


「桜香、ごめん。俺だけ座っちゃって」


「いいんだよ。いつもはあたしを座らせてくれるんだから、怪我してる時くらいは千太郎が座ってよ」


「ありがとう」


何だか笑顔がぎこちなく見える。

やっぱり松葉杖で歩くのは疲れたのかな。


久しぶりの学校に千太郎は疲れるかもしれない。


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