君の存在が笑顔になる
「どうしたら、桜香の心も体も俺の物になる?」


遼は抱きしめた腕をゆっくり離して、私と向かい合う。


「ごめんね…」


視線を合わすことが出来なくて、俯いてしまう。


「桜香、顔をあげて…」


遼の手が私の顎に行き、上へと持ち上げる。

距離が近い。


遼がさらに近寄ってくる。

キスしようとしている?


「イヤ!」


思いっきり顔を横に背けた。


「いいから、こっち向いてよ」


両頬を挟まれて、グイッと向かされる。


「お願い。やめて…」


顔を再び背けようとしても動かない。


「やめないよ」


「イヤ!離して!」


私は遼の手を掴む。

離そうとしても強くて、離れない。


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