君の存在が笑顔になる
「あたしは…遼と別れたいの。遼に別れてと頼んだんだけど、別れてくれなくて…」


千太郎には言わないでおこうと思ったけど、またさっきみたいなことがあったら、怖い…。

指先が震える。


「桜香、大丈夫だよ。俺がいるから。守るから」


千太郎の大きな手が震える手を包む。

温かさが伝わってきて、震えが止まった。


「とりあえず、片野がどうしたら別れてくれるか考えようか」


「うん。そうだね…」


今の遼は多分何を言っても別れてくれないと思うけど、千太郎がいてくれるから心強い。


良い解決策は見つからなかったけど、出来るだけそばにいてくれると言ってくれた。
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