君の存在が笑顔になる
翌日、行きたくもないデートの準備をする。


行きたくもないから、おしゃれにも気合いが入らない。


どうでもいい普段着で出掛けようとする。


「桜香、そろそろ片野が迎えに来る時間?」


「多分ね」


遼は時間に正確だ。  


「俺もついていくよ」


「えっ?」


「2人だと危険だろうし」


だからと言ってついて来るなんて、過保護じゃないかな。


ピンポーン


「桜香、おはよう」


「うん、おはよう」


遼はいつもと変わらない。


「おはよう」


私の後ろから千太郎が顔を出して、挨拶する。


「楠本も出掛けるところ?」


普通ならそう思うだろう。


「片野たちと一緒に行くよ」
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