君の存在が笑顔になる
「えっ?どういうことだよ?」


遼の訝しげな顔をする。


「千太郎…、やっぱりやめたほうが…」


ついて来ようとする千太郎を阻止するしかない。

デートについて来るなんてやっぱりおかしいし。


「いや、一緒に行くよ」


「何でだよ?楠本は関係ないだろ?デートの邪魔なんだけど。やめてくれる?」


遼が千太郎を睨む。


「桜香に何するか分からないからついて行くよ」


千太郎は冷静に答える。


「有り得ないな。…ふん、勝手にすればいい。桜香、行くよ」


遼は千太郎を無視するようにして、私の手を握る。


「イヤ…」


遼と手を繋いでいるのを千太郎に見られたくない。

握られた手を離す。
< 181 / 256 >

この作品をシェア

pagetop