君の存在が笑顔になる
それでも、見える場所にいてくれるから安心できた。


「うん、これうまい!桜香のはどう?」


「え?あ、うん。これも美味しいよ」


無理矢理な形だけど、今は一応遼とデート中だ。

千太郎に気を取られていては、失礼かも。


でも、したくないデートだし…。

私は自分の心の行き場がどこなのか分からなくなっている。



「桜香、やっぱり俺とは別れたい?一緒にいても楽しくない?俺だって、桜香に辛い顔をさせたいわけじゃないんだ」


ハンバーグを食べ終わった遼は悲しい顔をしていた。


「私もね、遼にそんな顔をさせたくないよ。別れたいという気持ちは今も変わらないけど、険悪な仲になりたくないの…勝手かもしれないけど、友だちになれたらいいと思っている…」
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