君の存在が笑顔になる
「もういいよ」


「えっ?」


「どんなに俺が好きでも桜香は俺を見てくれない。今だって、楠本ばかり見ている」


遼を見ようとはするのだけど、顔を上げると斜め横にいる千太郎が視界に入ってしまって、ついそっちを見てしまっていた。


「ご、ごめんね!」


「はあ…。そんなに謝らなくていいよ」


「でも…」


やっぱり謝ることしか出来ないから。


「別れるよ」


「えっ?」


「別れてやるよ。無理に付き合っていたって、楽しくない。今日で終わりにするよ。じゃあな、俺は帰るから」


遼は支払い済ませて、店を出て行ってしまった。

予想もしない展開に私は固まった。


「桜香?片野、どうしたんだ?」
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