君の存在が笑顔になる
飲み終えた麦茶のコップをテーブルに置いて、隣りに座る私の髪を撫でる。


「な、何よ?また子供扱い?」


「子供だなんて思ってないよ。ちゃんと1人の女として見てる」


撫でる手を止めて、頬にかかる髪の毛を耳にかける。


ビクッ


指先が耳に触れて、くすぐったい。


「何?感じた?」


「違う!くすぐったいだけ。変な言い方しないでよ」


顔が赤くなる。


「桜香、真っ赤だよ。かわいい」


「またからかって!」


「桜香は俺を男として見たことない?」


「えっ?」


私は小さい頃はともかく小学校高学年から男として意識していた。

千太郎は全く気付いていなかったけど。
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