君の存在が笑顔になる
「ねえ、桜香…」


「そんなことないよ。あたしの中ではずっと1人の男の子だよ。ずっと、ずっと…千太郎が好きだもの…」


私の頬を撫でる手が止まる。


「千太郎?」


俯いていた私は顔を上げて、千太郎を見た。


「え?千太郎?」


千太郎は真っ赤な顔して、固まっていた。耳まで真っ赤で、こんな千太郎は今まで見たことがない。


「桜香、俺のこと好きだったの?本当に?今も?」


「うん、ずっと好き。今も好き」


私まで顔が赤くなる。


ずっと千太郎を見ていられなくて、千太郎の胸に顔をうずめた。


「桜香。嬉しいよ。今まで生きてきた中で一番嬉しいかも。こんな気持ち初めてだ」
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