君の存在が笑顔になる

千太郎はお母さんの千尋さんから一字とって、名付けられた。


「ペットみたいな名前で嫌だ」と千太郎は不満げに何度も言っていたけど、人懐っこい可愛らしい顔した千太郎に良く似合っている名前だと私はいつも思っていた。


可愛いというといつも千太郎は本気で怒るのだけど。


私のお父さんと千太郎のお父さんは同じ会社に勤めていて、先輩、後輩の間柄で、仲が良い。

お母さん同士も仲が良い。


ただお父さんたちは転勤族。たまたま生まれた時は同じ札幌にいたけど、その後離れてしまった。


同じ小学校に行けないことを私と千太郎は大泣きした。


それを聞いた翌日、２人で家出をした。初めての冒険だった。