君の存在が笑顔になる
「桜香、行くよー」


私のほうが先に支度を始めたのに、千太郎のほうが先に支度を終えて、玄関で私を呼ぶ。


「今、行くー」


「行って来ます!」


「行ってらっしゃい。気をつけてね」


お母さんに見送られて、手を繋いで家を出る。


「ねえ、手を繋いでいたらバレない?」


「よく手を繋いでいるから、今さらおかしいとも思わないんじゃない?」


言われてみればそうかもしれない。

2人でいる時以外の私たちは以前と何も変わらない。


2人きりの時だけイチャイチャしている。

イチャイチャといっても、キス以上のことはしていない。
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