君の存在が笑顔になる
遼はこれ以上変な噂が出ないようにと気遣ってくれているらしく、私には話し掛けてこない。

傷つけてしまったというのに…遼の優しさには感謝しかない。


千太郎も私のそばにいつもいてくれる。

みんなの優しさに支えられる日々だ。


「桜香ー、帰ろう!」


千太郎のクラスのほうが終わるのが早いので、いつも教室に迎えに来てくれる。


「ちょっと待って。今日、日直なの」


まだ日誌が書き終わっていなかった。


「失礼しまーす」


人が少なくなった教室に千太郎が入ってきた。


「慌てなくていいよ。待っているから」


「うん、ありがとう」
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