君の存在が笑顔になる
「終わった!出してくるね」


千太郎にカバンを預けて、職員室へ急いだ。


「ちょっと!そこの子、廊下は走っちゃいけないよー」


廊下ですれ違った3年生に注意をされる。

端正な顔立ちにメガネがよく似合っているけど、ちょっと冷たい瞳に威圧感があった。


「すいません!」


立ち止まって、頭を下げた。


「あれ?君って、速水桜香ちゃん?」


「はい…、そうですけど?」


初めて見る先輩だけど、どこかですれ違ったりとかしているのかな?


「俺のこと知らない?」


どこかで見たことあるような気もするけど、思い出せない。


「えっ?あの…えっと…」


どう答えていいか分からない。
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