君の存在が笑顔になる
高津先輩はスマホを取り出し、耳に当てた。


「いたよ。視聴覚室だ。ああ…」


誰かに電話をかけたようだ。


「桜香!」


次に現れたのは遼だった。

私の姿を見て、目を丸くする。


「亜美さん!桜香に何を…」


遼が亜美先輩を近付く。


「だって、この子、最低だよ。遼のことを弄んで、すぐに違う男なんて作るし」


「違う。桜香は最低じゃないよ…」


遼が切ない目で亜美先輩を見つめる。


ガチャ


「桜香!」


「千太郎…」


千太郎も来てくれた…。

千太郎の顔を見たら、涙が零れた。


千太郎は息を切らしていた。きっと探してくれていたんだ。遼も、高津先輩も。
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