君の存在が笑顔になる
正直、やられたことは許せることではない。

でも、亜美先輩を追い込んで、そんなことをさせてしまったのは私でもある。


「いいです。大丈夫です。もうやらないならいいです」


千太郎がま少し震えている私の手を優しく握る。


「桜香、ごめんな。楠本もありがとう。俺、もう少し亜美さんと2人で話したいから、出て行ってもらってもいい?」


私と千太郎は頷いて、視聴覚室を出た。

出る時に振り返ると亜美先輩を抱き締めている遼の姿が見えた。


「桜香、大丈夫?怖かっただろ?」


「うん。でも、もう大丈夫…。それよりもどうして探してくれたの?」


千太郎はクラスが違うから、気付かないと思ってた。
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