君の存在が笑顔になる
漫画を本棚に返して、体をドアへ向ける。


「待って。桜香、ここにいろよ。ここで寝ていいから」


千太郎が決心した顔でベッドを叩く。


「本当にいいの?」


「うん。でも、おじさんにバレたら俺、殺されるかも」


「クスッ、お父さんはそんなことしないと思うけど、一応工作するね」


そう言って私はドアを開けた。


「じゃ、千太郎、おやすみー」


わざと大きい声を出して、自分の部屋に戻った。

そして…すぐに部屋を出て、忍び足で千太郎の部屋に再び戻る。


「桜香…」


「しーっ」


人差し指を口に当てた。


小声で話す。


「静かにしようね。ほら、ベッド行こう」


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