君の存在が笑顔になる
約13時間の空の旅は思っている以上に快適だった。


機内食を食べたり、映画を観たり、寝たりしていたら、いつの間にか到着していた。


千太郎の両親がJFケネディ空港まで迎えに来てくれた。


初めてのアメリカに私のテンションは高くなった。


「わあ!ニューヨークの香りがするー」


「桜香…、香りなんてしないと思うけど?」


「えー、するよ。ほら、なんていうかアメリカンな香り?」


「アメリカンって…何だよ?」


呆れる千太郎は約束通り私の手を絶対に離さないで、到着ロビーへと迷うことなく歩いた。

私1人なら、それほど複雑じゃない場所でも迷っていたに違いない…。


「千太郎、桜香ー!」

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