君の存在が笑顔になる
楠本家の住まいは高層マンションだった。入り口のセキュリティーがしっかりしていることに驚き、洗練されたシックな部屋にも驚いた。

もちろんそこのバルコニーから見える景色も最高だ。


「桜香、ニューヨーク、ニューヨークって騒ぎ過ぎだよ」


「だってー、ニューヨーク初めてだもの。落ち着いていられないよ」


千太郎はここに来るのが2回目ということもあり、かなり落ち着いていた。


「2人はこの部屋を使ってね!」


おばさんに案内された部屋はダブルのベッドとチェストとスタンドミラーだけが置いてあるものすごくシンプルで素敵な部屋だった。


だけど…


「えっ?2人で?俺と桜香、一緒の部屋なの?」


私が疑問に思ったことを千太郎が先に聞く。

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