君の存在が笑顔になる
千太郎は16歳の誕生日を迎えた。

私はおばさんを手伝って、パーティーの準備に精を出した。

その間、千太郎とおじさんは千太郎の進路について語っていた。


アメリカの大学に行きたいとか思っているのかな?

もしかしたらまた離れ離れに?


「お誕生日、おめでとう!」


「ハッピーバースデー、千太郎!


「ありがとう」


ケーキの上でゆらゆら動く16本のロウソクの炎を一息で消した。


「今年はお祝いできて良かったわ。これからは事故にはくれぐれも気をつけてね。もちろん病気にもね」


近くにいられない分、子どもの無事を願う親の気持ちは強い。

交通事故での怪我はすっかり完治していて、心配していた後遺症も残らなかった。


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